← 後編 第5章 · 技術選定と技術検証
LESSON p05-02 / 約15分

PoCと設計判断記録を作る

このレッスンの到達目標

選定を左右する不確実性を測定して残す。

音声とインタラクティブ図解で学ぶ音声を再生すると、下のインタラクティブ図解と本文の段落ハイライトが連動して動きます。
TECH SELECTION & POC SIMULATOR · AUDIO & INTERACTIVE

技術選定の必須条件ゲート・100万件PoC性能曲線・総費用(TCO)比較

「AIが推奨し100件の試作で速かった」だけで採用せず、夜間バッチ制限時間・運用要員・復旧手順を含む必須条件と3年総費用で比較します。

必須上限:夜間30分以内(100万件)案A:現行DB・ジョブ基盤の改善継続22分 / 3年TCO 1,800万円案B:AI推奨の新規分散基盤(単独導入)42分 / 3年TCO 3,400万円案C:新基盤+PoC実測+運用支援体制18分 / 3年TCO 2,950万円
運用体制・再実行検証・3年総費用案A:現行DB・ジョブ基盤の改善継続(3年TCO:1,800万円)

運用体制:◎ 既存要員で監視・復旧可能 / 障害時再実行:◎ 再実行・照合手順が確立済み

設計判断記録(ADR)の結論✅ 必須条件クリア(採用候補)

索引見直しと共通計算部品の整理で、夜間100万件30分以内の必須条件を達成できます。

進め方と判断の根拠

技術検証では、何を確かめれば採用判断が変わるかを先に定めます。大量処理、同時更新、障害時の再実行など、今回の制約に直結する問いを選び、環境、入力、観測方法、合否条件を記録します。

性能はデータ件数だけでなく偏り、索引、同時処理、運用ジョブに影響されます。小規模な試作の結果はその条件の結果として扱い、本番相当で未確認の部分を区別します。測定できない場合は追加検証の計画を示します。

実務への適用と確認

判断記録には課題、制約、候補、比較基準、公式資料、検証結果、採用・不採用理由をまとめます。残るリスク、運用上の対応、見直し条件を含め、技術責任者と業務・管理側の確認範囲を分けます。

採用後に障害や条件変更があれば、当時の前提と結果を再評価します。判断記録を消して正しかったことにするのではなく、何が変わり、なぜ別の判断になったかを追記し、チームへ共有します。

押さえておきたいこと

  • 検証の問いと合否条件を先に決める
  • 測定条件と結果を分ける
  • 見直し条件を残す
読了記録と習熟度の確認は別です。